英検1級を受けてみた【2次面接の巻】

 さて英検1級の筆記試験が終わり(前記事はこちら)、面接対策を始めてはみたものの、正直なところあまり1発で1次をクリアできる自信はありませんでした。一応合否が分かるまでは2次を受けるつもりで勉強・・・できないんですよね、これが(*´Д`*)
 人間だもの。。。

 なもんで、1次の合格通知をもらったときはまさにハンマーで頭をなぐられたような衝撃でした。そこから大慌てで2次対策を始めたわけですが、結果的には2次試験は2回受けることになりました。普段の生活の中で英語を使う機会のない社会人の方は、ここでどれだけ集中を切らさず面接に意識を持っていけるかが大切です。
 読む・聞くは意外に何となくでも続けられますが、「書く」と「話す」は積極的に意図してアクションを起こさないとできないことなので、無理やりにでも行動しなければなりません。
 でも分かってても難しいんですよね・・・
 人間だもの。。。

英検1級の2次面接って?

 まあとりあえず何かやろう、と言ってもまず何をやらねばならないかを知ることが先決です。英語の面接試験をほぼ受けたことのない昭和な私は、まず面接試験の流れを調べることから始めました。英検1級の面接というと受けたことのない人からすれば「完全に英語ペラペラ状態のフリートーク」みたいなイメージがあるかもしれませんが(私はそう思ってましたw)、調べてみるとどうもそういうものではなく、1次の英作文と同様にかっちりとフォーマットが決まっていて、その枠に沿って答えを組み立てていくものだということが分かりました。

 あ、先に言ってしまいますが(※これ超重要)、英検1級の平均的な合格レベルというのは決して「英語読めまくり」でも「英語ペラペラ状態」でもありませんので、念のため。最終合格できた今でも、感覚としてはどうにかこうにか知ってる単語をつなげて、言いたいことは一応曲りなりに言えるかな程度、というのが正直な実感です。(ぶっちゃけペラペラ状態というのは、英検1級でも一部の上位合格者に限られるのではないでしょうか。個人的には大学で英語講師をされているレベルの方でも、ネイティブでない限りそんなにペラペラしゃべれてる人は少ない気がします)

 で、英検1級の面接ですが、全体の時間は10分ほどで、おおまかに言うと次のような流れで行われます。

・入室 → 面接官の先生が2人(ネイティブ・日本人各1)+タイムキーパー1名
      あいさつ・雑談的な会話「あなたのことについて教えてください」(2分程度)

・お題を渡される → 5つのテーマの内から1つを選んでスピーチの内容を考える(1分間)

・スピーチをする(2分間)

・スピーチについての質疑応答(4分間)

 
 この流れをきちんと押さえておけば、それほど大きくつまずくことはないと思います。

英検1級の面接対策

自己紹介は準備すべし

 最低限事前に用意しておくべき内容としては、自己紹介でしゃべること(勉強していること、仕事のこと、趣味など)はある程度考えておいたほうがいいと思います。
 一見ただのつかみ的な雑談のようですが、この部分もしっかり採点の範囲に入っていますし、アドリブかまそうと決め込んでいると意外にとっさには出てこなくて困ったりします。

 また面接の初っ端のこの部分でつまってしまうと、本編に入る前に「こいつ大丈夫か??」みたいなマイナスの先入観を持たれてしまい、以後の採点にも響きかねません。フリートークっぽいパートですが、むしろ逆にここはある程度ちゃんと用意して行くべきだと思います。

 いわゆる「メラビアンの法則」というのがありますが、面接は最初が肝心です。
 あと、同じ発言でも自信なさげにおずおずしゃべってると、それだけで「それ何か間違ってんじゃね?」みたいなバイアスがかかります。特に話し言葉では文法とか単語とか多少自信なくても胸を張って堂々としてれば割とそのまままかり通る気がします(憶測)。文法とか語法の細かい部分をあまり書き言葉のときみたいにきっちりしようとすると本当にしゃべれなくなってしまいますし。

 てゆうかそもそもネイティブでも in とか on とか微妙な単語の使い分けとかをそんな辞書に書いてる通りにきっちり使い分けてる人って、ごく一部の高学歴だけじゃないでしょうか。オンラインスクールとかでネイティブの先生も何人か知ってますが、とてもそんなきっちりと言葉を使い分けてるとは到底思えないゼhey, yeah ! みたいな人も少なからずいたりしますしw まあ日本人だって辞書とか文法書見ながらしゃべる人なんていないですし、話し言葉なんて文法的には間違いだらけなのが当たり前だくらいに割り切ることも大切だと思います。

スピーチの丸暗記はご法度

 スピーチの本体部分に関してはメジャーなテーマに山を張ってブロックごと丸暗記するような勉強法もよくあるようですが、私はあまり推奨しません。そもそも山が外れたらその時点でおしまいですし、当たったとしても完全に当たることはほとんどないので、常に何らかのアドリブ的な修正は必須になりますが、丸暗記したものを修正しながらアウトプットするのは逆にかなりのスキルを要します。そんなことをするくらいならその場で一から組み立てる方がいいのではないでしょうか。

 また、当たり障りのない話で終わる自己紹介のパートと違い、スピーチ部分についてはある程度突っ込んだ質疑もされますので、自分の頭で考えていない丸暗記のスピーチでは結局すぐにボロが出てしまいます。面接の評価としては、文法的な正確さや流暢さよりも、質問されたことに対して「きちんと自分の頭で考えて、自分なりの言葉でコミュニケーションできているかどうか」が評価のポイントになっていると感じました。

 私はスピーチ部分に関しては専用の教材は使わず、代わりに英作文対策で使った問題集をおさらいしましたが、これで十分だと感じました。

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使い方としては主に後半の実践問題を見て2分のスピーチをひたすらシュミレーションし、参考程度に後で解答例を読む、という形で、前半の論述ブロックをインプットしたりするようなヘビーな使い方はしていません。(というか持ち歩けるように本を二つにぶった切って後半だけカバンに入れてました・・・w)

 出題されるテーマの傾向やレベルも似通っていますので、特に面接だけに特化した教材は必要ないと思います。

 但し英作文には質疑応答はありませんので、その部分は自ら脳内で補うか誰かにツッコミ役をやってもらうかする必要があります。どうしても自力では難しいという方はCD付きの教材やオンラインスクールをピンポイントで利用するのもアリだと思います。

 え、私? もちろん100%セルフ突っ込みでしたが、何か? ええ、そうですよ、どうせ友だちいませんからね。。。( ノД`)

結局スピーチは出たとこ勝負

 で、スピーチの本編ですが、まずお題を書いたカードを渡されます。そして1分間の間に5つのうちから1つを選んでスピーチの構成を考えなければなりませんが、この1分間というのは本当にあっという間の時間です。5つの選択肢を全部ちゃんと読もうとしたら読むだけで終わってしまいます。ましてや馬鹿正直に1つ1つテーマをじっくり比較検討して選んでいるような余裕はありません

 ぱっと見て1ミリでも「これいけそうだな」というのがあれば他は見ないで直ちに構成にとりかかるくらいでないと、あれこれ考えているうちにすぐ時間切れになってしまいます。ここは思い切りの良さが大事です。
 恋愛と同じです・・かね(。´・ω・)?

 テーマは過去問を2,3回分見ていただければ大体の感じはつかめると思いますが、環境問題とかエネルギー問題とか貧富の格差とか、わりと同じような大きなテーマが何度も繰り返し出題されています。科学技術などでやや専門性の高い分野から出題されることもありますが、ブロックごと論述を暗記していかなければならないような特殊なテーマはほとんどありませんし、仮にあってもそれを捨てて他の4つから選べばいいだけです。よく出るキーワード的な単語を押さえれば十分だと思います。

 また英検最高峰の面接とはいえ、問われているのはあくまで英語スピーチの技能であって専門知識ではありません(この点を勘違いすると変な沼にはまりますww)普通に新聞やテレビを見ていれば反応できるレベル以上のことは何一つ求められていませんので、どうしても決められない人は「10秒以上迷ったら〇番のテーマにする」とか事前に決めておくとよいと思います。

 過去問などで練習するときも5つの中から選ぶのでなく、ぱっと見たテーマで即スピーチを考えるような練習を繰り返しておけば、本番のときにとても楽です。

【おまけ】2次の初回受験は絶対落ちる説について

 これは確証のない話ですが、英検1級の初めての2次試験は絶対落ちるという都市伝説があります。まったく根拠はありませんが、実際に私のまわりやネット上で英検1級の受験結果を報告されている方の大半は、初めての2次試験は不合格になっています。
 そしてもちろん私も1回目は不合格でした。

 ただ面接の手ごたえはとても良かったので、なぜ自分が落ちたのかどうにも納得できない結果でした。同じ回で明らかに自分よりスピーキング力が高いとも思えないような某英語ユーチューバーの方が最終合格を報告されていたので、なおさらでした。

 それでいろいろと調べてみたのですが、どうも調べた限りでは1発で合格されたのは英語ユーチューバー界の超大御所Atsuさんくらいでした。まあこの方はネイティブと聞き分けるのが難しいくらいのレベルで超ペラペラですからね。。。(※英検1級対策ではAtsuさんのYoutube動画に大変お世話になりました。未見の方はぜひ検索してくださいまし)

 もちろん1回目より2回目以降の方が1回目の経験値がある分、合格しやすくなるというのは当然あると思いますが、2次試験の合格率は概ね50%前後と推測されているので、巷で観測されている初回受験者の不合格率は数学的にいささか高すぎるような感が否めません。

 さらに、初回の2次が不合格となった方の多くがほぼ同じスコアという現象が確認されています(当社調べ)。2次試験では発音・文法など4つの評価項目ごとに10点満点で採点されるのですが、なぜか多くの不合格者が「5・5・6・6」(順不同)に集中しているようなのです。まるで何かのリミッターでもかかっているかのごとく・・・

 もちろん1回目の受験者は2回目以降よりも数段緊張が高い分実力を出しづらいという部分はあるので一概には言えませんが、私自身の感覚として1回目の採点はあまりに辛いと感じたのも事実です。私の場合は1回目と2回目で特に手ごたえに違いは感じませんでしたが、2回目ではいずれも7~9点に上がっていました。もちろん面接は最終的に採点者の主観にかなり依存せざるを得ない試験形式なので、ある程度点数にブレが出るのはやむを得ないのですが・・・

 可能性として、1級は英検的に最高峰の資格であるため、最終合格の審査を非常に慎重に行っていて、初回受験者については2次で厳しめの判定をしているという可能性はあるような気がします。まあ運営的な事情があったりとか【以下禁則事項により削除】

 何を言いたいかというと、要は1回目の面接の点数が悪くても気にしないで!!ということです。内容的には1次を合格するだけの英語力があれば必ず最終合格できる試験ですので、あきらめないことが大事です。

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