英検1級の英語力について

突然ですが、「英検1級」というと、どれくらいの英語力をイメージするでしょうか?

私が英語学習を始めたとき、漠然と「TOEICでハイスコア取れたら英検1級にチャレンジしよう」くらいの感覚で英検1級を1つの目標に設定したのですが、そのときはごく単純に「英検1級=英語ペラペラのマスター状態」、ゲーム的に言えば「カンスト」みたいな地点だと思っていました。

しかし去年実際に最終合格してみて感じたのは、もちろん合格自体は一つの到達点としてうれしかったのですが、達成感というようなものとは程遠く、むしろ「あれ、こんなもの?」という拍子抜けしたような感覚に近いものでした。

もっと言えば、英検1級なんてまだまだ「カンスト」どころかやっと登山口に辿り着いたくらいのレベルなんだな、と今さらながら実感しています。

まだこれから英検に向けて頑張っている方も多いと思いますが、今回は参考までに英検1級に合格した今の私の英語力について書きたいと思います。

この記事でお伝えしたいのはずばり「これくらいの英語力でも英検1級に届く」ということです。まだこれからの方や、英検を受けたことがないけどどうしようか迷っている方にも参考になれば幸いです。

今現在の英語レベル

いちおう参考までに私の成績を書いておきます。

・直近のTOEICスコア(L&R) 925

・英検1級 総合スコア 2721  CEFR C1

CEFRのC1を取れたのは正直意外でした。ただ「英検バンド」は1次が「G1 +3」、2次が「G1 +2」で、合格ラインぎりぎりではありませんでしたが、ざっくり言って合格者の中では中の下あたりと思っていただいていいと思います。

以下はそのあたりのレベルの学習者の英語力としてお読みください。。。

できるようになったこと

BBCの記事が大体読める

まず一番大きいのは、普段の生活の中で英語サイトを読めるようになったことです。

これはやはり英検1級のボキャブラリーの蓄積が大きいと思います。もちろんまだまだ知らない(または知ってても意味が出てこない)単語やフレーズもたくさんありますが、よほど難解な専門分野の記事などでない限り、辞書を引かなくても記事の大意はつかめるようになりました。

もちろん構文自体が分からないということはほぼありませんし、知らない単語が出てきても、なんとなく前後関係から意味を推測したり、「これは重要っぽい単語だな」と見当をつけて辞書を引くことができるようになったのも大きいです。

それでも日本語サイトと同じレベルでサクサク、というわけにはいかないですが、1級にチャレンジする前(TOEIC800前後の頃)と比べると英語そのものに対する心理的なハードルが格段に低くなり、ひまつぶしにBBCなど英語圏のニュースサイトを普通に読んだりできるようになりました。

BBCニュースが大体聞き取れる

リスニング力もかなりアップし、以前は漠然としか分からなかった英語ニュースも集中すれば(※ここ重要)ほとんど聞き取れます。

聞き流し

もちろん知らない単語やフレーズもまだまだ出てきますが、分からないときも「なんとなく分からない」ではなく、「今のこの言い回しが分からない」というふうに、分からなかった部分を特定できるようになりました。

これは英語学習を進めるうえでとても重要な地点だと思います。同じ「分からない」でもどこが「分からない」か分かっていれば自分で調べることができるからです。

言いたいことは大体言える

はい、言いたいことは大体言えます。通訳みたいにドンピシャではないですが、日常生活で言いたいことのだいたい7割くらいはそれっぽい内容で発信できます。

但し重要なのは「だいたい」ですw 言いたいことをそのままペラペラ発信したり、1級の単語帳で出てくるような難しい単語をそのままスピーキングで使いこなせるわけではありませんので、念のため。

まだできないこと

やっぱり日本語ソースを見てしまう

何か調べものをするときなど、英文への抵抗はだいぶ減ったのですが、やっぱりまだまだつい日本語のソースに当たってしまいます。できるだけ英語使うようにしたいんですけどね、つい。。。

ただwikiとかでも同じ記事に日本語版と英語版があった場合、特に世界史関係なんかだと圧倒的に英語版の方が内容が厚いことが多いので、英語で調べるようにしています。何だかんだ言ってもインターネットで流れる情報量で言えば圧倒的に英語のコンテンツが多いですから。

あと余談ですが、日本ってネットでも変な規制とか謎の自粛とかあって、wikiにしても日本語版はあまり信用できないですね、池袋の暴走じいさんの件とか(※禁則事項により以下削除)

映画のセリフは聞き取れない

いやこれいつになったらできるようになるんだろ、と思うのがこれ、映画とかドラマを字幕なしで見る」ってやつ。これに憧れて英語学習を始めたっていう人も多いのではないでしょうか。

「英検1級取ったら当然それくらいできるよね?」と思っている人も多いと思いますが(私もそう思ってましたwww)、これ今でも全然無理です。(夢を見てた人がいたらすいません、これが底辺合格者の現実ですorz)

もちろん何度か見て内容を知ってる映画ならある程度は聞き取れますが、それでもニュースの聞き取りなんかとは段違いで難しいです。(ニュースでも日本語のように聞き流しの状態で理解できるわけではなく、ある程度集中して注意力を向けた状態でないと頭に入って来ません。)

そもそもニュースなんかと違い、映画やドラマは(日本語でもそうですが)文法的に不完全な部分もありますし、特にかけあいの場面なんかではセリフの全部が全部をクリアに聞き取ってもらうようには作られていないので、聞き取れない部分があっても仕方ないのですが、それでも一生懸命リスニングしても1シーンほとんどちんぷんかんぷんのまま終わったりするときの絶望感はハンパないです。。。

やはり日常会話を理解するにはスラングなども含め、英検やTOEICにはないボキャブラリーも広く蓄積して、それを積極的にアウトプットしていく地道な取り組みが重要なのだと思います。

英検1級は就職に役立つか?

で、結局のところ英検1級は就職や転職などのステップアップに役立つのでしょうか? 社会人の方にはこの部分が一番切実かもしれません。私の答えはずばり「人による」です。

これには特に年齢と職歴が大きく影響します。

知り合いやブログなんかの情報を総合すると、だいたい20~30代前半の若手の方であれば、英検1級も大きなセールスポイントとして有効なようです。教員採用試験だと英検1級所持者は加点されるなど、優遇制度のあるケースもあります。

ただしこれさえあれば英語の専門職に行けるというものではなく、専門職の場合はむしろ「応募のための最低条件」となっていることが多いです。また専門職以外では英語力があるというアピールにはなりますが、そもそも英語ができるというのは判断材料の一つに過ぎないケースが多く、プラスには評価されてもそれだけで就職の決め手になるというケースは意外に少ないみたいです。

また中高年以上の方には残念なお知らせですが、30代後半より上では英検1級を取っただけで就職に有利に作用することはほとんどありません(※英検に限らず通訳案内でもIELTSでも同じです。この年代で資格が就職に直結するのは業務独占で守られたごく一部の士業もしくは現場系の実務資格くらいです。)

私も英検1級合格後に転職活動でいくつか英語力を活かせそうな企業に履歴書を送ってみましたがほぼ100パーセントの確率で翌日にお祈りメールを頂きました。要するに年齢フィルターをかけて事務レベルで脊髄反射してるだけで、英語力も何もそもそも選考の土俵にすら載せる気がないわけですwww

特に未経験の業種への転職はほぼ絶望的だと思います。もしそういう転職を狙ってる中高年の方がいらっしゃったら大人しくあきらめて別の道を考えるか、続けるなら一種のロト6みたいなものと割り切ってしまうかしてください。中途半端に夢なんて見てはいけません。

海外だとこういうあからさまな選別って完全に法的にアウトだったりするんですけどね。日本の転職市場って年齢による就職差別には妙に寛容で、ハロワの担当ですら「実態がそうだから仕方ない」みたいに容認しちゃってますが、こんなんでいいのかしら。。。全員検挙されてしまえばいいのに。

結局英検1級は通過点

で、結局のところ夢を壊すようですが、英検1級を取ってもまだまだできないことの方が多いくらいで、私の英語学習は当分の間終わりそうにありません。

 

 まあ語学学習に終点はない、ということで。。。

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