通訳案内士試験を受けてみたけどオワコンだったの巻【前編】

 コロナコロナでどうなるかと思ってましたが、通訳案内士の一次試験は無事実施されました。

 この「通訳案内士」、もともと受ける気はなかったのですが、TOEICのスコアで900以上取ると外国語の一次試験が免除されるという一見超魅力的な特典に釣られて、昨年から受け始めました。

 ところが今年に限って3月に実施されるはずだったTOEICがコロナのせいで中止になり、その後の回も立て続けに中止になったせいで、結局1次の筆記試験から全部受験する羽目になってしまいましたとさ。

 しかしTOEICのスコアだけ1年縛りするのって、一体何の根拠があるんでしょうか。英検の扱い(一生有効)との圧倒的な違いは理解不能です。歴史などの科目免除に使われるセンター試験の結果でさえ5年間有効の扱いだというのに。。。
 この差は一体・・・(。´・ω・)?

 まあそれはともかくこの「通訳案内士試験」、もし今後の受験を考えておられる方がいましたら当面1~2年は受験を見合わせることをお勧めします

 もちろん折からのコロナショックで観光業界の需要が激減していることも大きいのですが、それだけなら将来の急回復に賭けて勉強を続けてもいいと思います。そうではなく、受験を見合わせるべき最大の理由は「歴史」の試験内容が終わってるからです。どう終わってるかと言うともはや資格試験とは呼べないレベルで終わっているのです・・・(通訳案内士とか興味ないしどうでもいいという方は適当にバックれてくださいまし)
( ^^) _旦~~

出題がマニアックすぎて対策不能

 もともと通訳案内士の歴史科目はわりとベーシックな出題で、高校程度の一般的な日本史の知識があれば特段の対策の必要もなく合格できるレベルでした。
 ところが2、3年前あたりから突然別の試験かと思うほど内容が変わり、基本的な歴史の理解とは程遠いマニアックな知識や歴史の範囲を逸脱した「超ローカルご当地ネタ」の出題が目立つようになりました。

 どのくらいマニアックかと言うと、たとえば今年度の出題では「六勝寺」について正しいもの(誤り?)を選べという出題がありましたが(今年度からクレーム封じのため問題冊子が回収されるようになりました ← New !!)、そもそも「六勝寺」なんて聞いたことがある人はどのくらいいるのでしょうか? 多分生粋の京都人でも少ないのではないかと思います。町レベルの郷土史研究家とかせいぜいそのくらいじゃないでしょうか。。。(適当)

 いちおう書いておくと、「六勝寺」というのは1つの寺の名前ではなく平安後期~室町時代にかけて京都にあった名前に「勝」のつく6つの寺のことで、どれも現存しませんかつ、そのうち「法勝寺」を除いてはあの森羅万象網羅を誇る変態的自称万能百科事典「ウィキペディア」にすら詳細ページのないゴミカスドマイナー物件で、観光資源としてはもちろん歴史的な価値で言ってもぶっちゃけ・・・
(`・ω・´)。つ皆無・・・( ノД`)

 そもそも現存しない時点で意味なし確定の物件です。

 以前もこういう頭のおかしいハイレベルな出題が全くなかった訳ではないのですが、捨て問としてスルーできる程度の分量でした。ところがこの2、3年でこういう知ってて誰得的な知識まで網羅することが不可欠な超変態難関試験に変質してしまったのです。


 もちろん「いくら問題が難しくてもちゃんと勉強してれば解けるでしょ」というのはド正論ですが、もし本気でこんな内容にまともに対応しようと思えば参考書レベルではなく、それこそ歴史辞典レベルの細かな知識まで丸暗記しなければなりません。

 こういう歴史の本筋と関係のない枝葉末葉の百科事典的知識を詰め込むことが「通訳案内士」の業務にいったいどう関係があるのか、その労力にどういった価値があるのか、出題担当者を激しく問い詰めたいです・・・郷土史研究家でも養成したいのでしょうか??

そもそも歴史と関係ない

 難問化と同時に「これ歴史の試験だよね??」と言いたくなる出題が増えている点もこの2、3年受験者を戸惑わせている大きな変化です。

 たとえばこれも(問題用紙が回収されたので)うろ覚えですが、問題文の本文では幕末の会津戦争を主題にしながら実際の設問では同じ福島県にある「いわき市」の場所「いわき市について正しいもの(まちがい? ←問題用紙が以下略w)を問うという謎な出題がありましたが、いやそれもう問題文の会津戦争全然関係ないしwww

 まあ広い意味で言えば「いわき市」も観光地ではあるようなので通訳案内士の業務と全然関係ないということもないのですが、基本的に「スパリゾート」とか「アクアマリンなんちゃら」とかのチャラいリゾート系の観光地で、「歴史」の試験で出題するような来歴のある町ではありません。歴史分野で出題するなら「会津若松市」で十分でしょう。

 善意に解釈するなら広い意味で観光分野とのつながりを意識しての出題ということなのかもしれませんが、それなら正々堂々と「地理」で出題すべきです。総合格闘技でもあるまいし、観光につながってればどの科目で何を出題してもよいという訳ではないと思います。あくまで「歴史」の理解を問う試験ですし、試験の実施要項にもそう書いてあります。それを逸脱するのはいただけません。

 出題者は奇天烈な問題をひねり出す前にもう一度ちゃんと試験の実施要項を読み直してください。

難問というより奇問

 とまあここに挙げたような珍妙な出題が続出しているのが通訳案内士の「歴史」の試験の現状です。前向きに解釈するなら「より深い専門知識を持った優秀な人材を育てたい」というふうに捉えられなくもないですが、正直レベルアップを図るにしても、難化させる方向性が根本的に間違っているとしか思えません。

 数学や外国語と違って、歴史の試験は難しくしようと思えば簡単に難しくできます。誰も知ってるはずのない細部を問えばいいのですから。ひらめきも思考力も必要ありません。歴史辞典の隅から些末な記事をほじくり出せば、いくらでも正答率を下げることは可能でしょう。

 しかしそもそも通訳案内士に必要なのは、わが国の歴史の流れを外国の方にきちんと説明できる力量ではないのでしょうか? それとも博物館の学芸員や大学教員レベルの微細な知識が通訳案内の業務に必要なのでしょうか? はなはだ疑問です。

 なぜこんなおかしなことになっているのか、一介の受験者としては理解に苦しみますが、もしかしたら出題委員の人たちにも何らかの事情があったのかもしれません。たとえば監督官庁との間で何がしかの軋轢のようなものがあったりとか・・・

役所のえらい人:「おう、去年の通訳案内士の歴史の出題なんだけどさー」

出題委員:「はあ、何か」

役所:「何かこれ、あんまパッとしないというか、ぶっちゃけ高校あたりの日本史の試験と何も変わらなくない?」

出題委員:「いえ、だって歴史の試験ですし・・・」

役所:「いや違うよ、そういうこと言ってんじゃないの。だってこれ、『通訳案内士』の試験なんよ? これじゃあ全然観光とも関係ないし専門性もないじゃない。まるでセンスがないのよ。大体さ、一体何のためにうちの役所が貴重な税金つかってまであんたら専門バカ集団を雇ってると思ってんの? もう一回ちゃんと練り直してよ。これからはインバウンド、観光立国、イノベーションの時代なんよ! そう、イノベーション!!

出題委員:「はあ」

役所:「はあ、じゃないでしょ!!とにかくこんな田舎の高校みたいなダサい問題じゃなくてもっと専門性の高い、ハイレベルの人材が集まるような、何かこう洗練されたチャレンジングな・・・そう、もっとチャレンジしなさいよ!! イノベーション、イノベーション!!!

出題委員:(ごちゃごちゃうるせーんだよ! こっちだって来たくて来てるんじゃねーんだよ!! 授業とかゼミとか学内会議とか忙しいけど教授会で貧乏くじ引いたから仕方なく来てやってんのに大した額の謝礼も出さねーでぎゃんぎゃん一人前に吠えてんじゃねえよこのゴミカス税金泥棒兼国家権力の犬どもが以下略)「わかりました。要はつまり、とにかく試験のレベルを上げればいいんですね

役所:「そうそう、そういうこと。もっとハイレベルの知識をもった、わが国の『お・も・て・な・し』にふさわしい超一流の人材がバンバン集まるようなハイグレードの革新的で斬新な内容にしてちょーだいっ!! 早急にねっ!! さあイノベーション、イノベーションっ!!」

出題委員:「ではそのように善処いたします(はいはい難しくすればいいんでしょ難しくすれば!! 後で何言われてもこっちは一切知りませんからねっ!!)」

 当たらずとも遠からずといったところではないかと思うのですが、勘繰りすぎでしょうか? 

※以上は全てフィクションであり個人の主観的憶測であって、実在の人物や団体を批判する意図はあまりありません。

必殺クレーム封じ「問題冊子は回収!!」

 で、もう上で何度も書きましたが、今回から問題冊子も回収されてしまい、見直しはおろか自己採点さえできなくなりました。

 理由は分かりませんが、私には問題内容や採点結果へのクレーム封じとしか思えません。もちろんこういう試験では受ける方も必死なので、中には言いがかりのようなクレームをつける頭のおかしい人がいて事務局が対応に苦慮するという事情は容易に想像できるのですが、試験制度の透明性の観点からも基本的に試験問題と解答は公表すべきだし、決して安くない受験料を取っている以上、せめて問題冊子くらいは対価として潔く配布すべきだと思います。

 何より、回収されてしまうと見直し学習の機会が奪われてしまうと同時に、外部からの検証も不可能になってしまいます。クレームは多少なり防止できるかもしれませんが(証拠が手元に残らないのですから普通の人は何も言えません)、学習的なデメリットはもちろん、試験自体の公正さや信頼性にも響くのではないでしょうか。
 これはTOEICについても言えることです。

それでも受けたいという方は

 中にはそれでもどうしても「通訳案内士」を受けたい、あるいは受けなければならない事情があるという方もいるかもしれません。こういう試験だと分かったうえで趣味として、あるいは運試し的に受けるのであれば別にいいと思いますが、そうでなく本気で合格を目指して受験するのであれば、少なくとも「歴史」については全力で受験を回避すべきだと思います。

 現状の「歴史」の試験内容は九頭龍閃(※「るろ剣」参照)なみに予測も対策も不可能です。クリアするには難問奇問珍問を発動される前に神速を超える超神速の抜刀術(※同)で全力回避するしかありません。

 「歴史」の受験を回避する手段として、今のところは次のいずれかが必要です。

歴史検定の1級または2級を取る

センター試験の日本史Bで60点以上(受験日から5年以内のものに限る)

 出題内容的に安定しているセンター試験をお勧めする方もありますが、受験には出身高校の卒業証明書などが必要になりますので、現役の学生さんでセンター試験の結果がそのまま使える人以外はちょっと厳しい気がします。アラサーとかでもさすがに現役高校生と並んでセンター試験を受けるのは腰が引けるのではないでしょうか。アラフォーのおっさんともなれば会場入りすること自体が不審者扱いで通報されかねないレベルですwww

 という訳で中高年にとっては「歴史検定」を受けるのが現実的だと思いますが、そもそも試験を受けるために別の試験を受けるというのが何とも馬鹿らしいうえに、歴史検定の受験料も安くはなく、全くのペーパーテストのくせに6,000円以上もかかります。
 個人的には何だか歴史検定側の運営的な都合でそっちを受けるように意図的に誘導されてるような気すらしないでもないのですが、勘繰りすぎでしょうか?

 さらに言うと仮にここまでやったとしても科目免除の条件が来年も今年と同じという保証は全くありません。現に以前はセンター試験の結果は無期限に有効でしたが、突然有効期間5年という縛りが設定されるようになりました。またTOEICに至っては元々840点以上でよかったのが2018年から900点以上に変更されています。

 科目免除の条件はその年の4月に発表される要項で発表され、法改正などによる変更以外の内容は事前に察知できません。つまり要項が発表されるまで、受験生は今年度も前回と同じルールで実施されると信じて準備するしかないのです。

 このように試験の根本的な制度設計に関わる部分さえ不確定のまま見切り発車的に手探り状態で恣意的に運用されているのが「通訳案内士試験」の実態です。こんな雑な運営の試験に未来を賭けるというのはあまりにもリスキーな選択ではないでしょうか。

 そしてそもそもそこまでして取得したところでこの「通訳案内士」、もはや資格試験とは言えない状態なのです。というのは、合格したところで「私は『通訳案内士』です」と名乗れる以外のメリットはありません(2018年の法改正により資格がなくても通訳案内の業務を行うことが可能になりました)。

 私の結論としては少なくとも「歴史」の問題作成者が入れ替わり、まともな出題傾向になるまで当面受験は見合わせようと思います。お金も時間ももったいないし、こんなトンデモ試験に労力を投入するより他にやらなければならないことはいっぱいありますので。

 ええただの負け惜しみですよ、負け犬の遠吠えです・・・( ノД`)シクシク…【後編に続く

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