知らなきゃ損! これだけは抑えておきたいTOEIC のお約束【L&R】

前の記事で書きましたが、私はTOEICに限らず試験のスコアを上げるための試験対策に特化した学習は推奨しません。

ただTOEIC(L&R)はタイトな時間制限の中で一定の形式の選択問題を大量に解くという、かなりクセの強い試験ですので、ある程度以上のハイスコアを狙うにはそれなりの作法というかお約束的なコツがあります。

今回はそうしたTOEICを受ける際の必修のお約束事項についてまとめてみましたので、何かの参考になれば幸いです。

※主催者様からの公式の注意事項についてはこちらをご確認ください。

時間配分は事前にシュミレートするべし

大前提としてTOEICのリーディングパートは時間設定が非常にシビアな試験です。特に新形式になって以降は難化傾向が著しく、900前後のスコアを取れる人でも時間ギリギリがデフォです。もちろん見直しをする時間なんてほぼありません。

時間配分は秒単位で厳密に守る必要があります。そうでないと最後まで完答できません。もちろん鉛筆をころがして迷ってる暇もありません。。

時間切れに陥らずに最大限スコアを伸ばすためには、予めどのパートで何分程度使うかを事前にきちんとシュミレートしておく必要があります。

概ねの目安として、Part 5 (短文穴埋め問題、30問) で10分(1問20秒)、Part 6 (長文穴埋め問題、16問)で8~10分(1問30~40秒)、Part 7 (読解問題、54問)で55~57分(1問60秒前後)が基本の配分です。

実際に解いてみると分かりますが、この配分で解き進めるには余計な部分で迷ったり考えこんだりしている余裕はありません。とにかく読んでは解くのリズムをひたすらキープすることが大切です。

また試験中は残り時間の計算をちまちましている余裕もありませんので、午前・午後の時間区分に合わせて「〇時△分までにPart×を終わらせる」という区切りを頭の中に入れておくのがお勧めです。そうすることで時計を見るだけで今スケジュール通りに解けているか否かを瞬時に判断できるようになります。

スコアは統計的に処理される【※追記修正】

一般的なテストとは異なり、TOEICのスコアは事後的に計算されます。採点の詳細は公表されておらず不明ですが、配点もその問題の正答率などによって事後的に決定され、どの問題にどれだけの配点があるかは、受験の時点では決まっていないというのが定説です。

つまりTOEICでは自分自身の絶対的な出来不出来ではなく、受験者全体の中での相対的な位置関係によってスコアが変動するので、一見簡単そうに見える部分ほど確実に解く必要があるということです。

TOEICのスコアはいわゆる「偏差値」的なもので、絶対的なスコアではなく相対的な指標です。つまりみんなが解けない問題は解けなくてもノープロブレムですが、みんなが正答している問題を取りこぼすのは致命傷になります。

この意味でも一見「簡単」な問題ほど取りこぼしは許されないということを肝に銘じる必要があります。

※お詫びと修正について※

 前回この項で「TOEICの配点は全て同じ」と書きましたが、不正確な記述であったため削除・修正いたします。正確にはTOEICの設問ごとの配点は公表されておらず、統計的に処理されるという点を除き詳細は不明です。上記の「正答率などを参考に配点を事後的に決めている」というのも有力な説明の一つですが、あくまでもそう考えられているという域の話であり、公式が認めている訳ではありません。不正確な記事を出してしまった点、お詫びいたします。

写真問題をナメてはいけない

リスニングでは最初の写真問題(Part 1)や応答選択問題(Part 2)は、以前は本番前の準備運動のように思われがちだったのですが、新形式のTOEICではこうした以前はイージーだったパートの難化が目立っています。

写真問題が単なる腕慣らしだったのは昔の話、新形式ではあれやこれやのギミックで受験者を引っかけてくる要注意のセクションです。

写真でもよく注意して見ないと見逃してしまうような部分だったり、主題になっているものから少しズレた部分を設問にしてくるなど、あの手この手で受験者を揺さぶるような出題がされるので、腕慣らしみたいに思って安易な気持ちで挑むと痛い目にあったりします。

引っかけには一定のパターンがあるので、事前に問題集などで予習しておくことが大切です。

応答問題は出だしに全集中

写真問題の次のセクションは応答問題です。

これも一見シンプルですが、必ずしも質問にストレートに答えるものが正答とは限りません。答えをはぐらかしたり逆質問をかますなんてパターンもあるので要注意です。

これは流される質問文に対して適切な答えを選ぶというものですが、単文を聞くだけなら楽勝だろとナメていると痛い目に合います。長文なら多少聞き取れない部分があっても他の部分から正答できたりしますが、単文では一語聞き取れなかっただけでも致命傷になり得るからです。

特に冒頭部分の疑問詞(What, Who, When,..etc.)は絶対に聞き逃してはいけません。冒頭が分からないとそもそも何を問われているか分からないのが英語の怖さです。逆に言えば冒頭さえ聞き取れれば後が分からなくても消去法で解答できるケースも意外に多いです。

ただ少なくなったとはいえ25問、0コンマ数秒の部分に全集中で聞き続けるのは結構神経の磨り減る作業で、そういう意味でも油断できないセクションです。

リスニングは本文が流れ出す前に設問を読む

ベテラン受験者には常識なのですが、TOEICに限らずリスニング試験では本文が流れ出す前にその問題の設問を読んで頭に入れておくことが必須です。

これをしないとリスニングのハードルが数段アップしてしまいます

リスニングも将棋と同じく先を読むことが大切です。本文が流れる前に設問に目を通すのは定石中の定石です。

特に一度しか音声が流れないTOEICのリスニングテストの場合、最初から何を聞き取ればいいか分かっている状態で聞き取るのと、何を聞かれるか分からないまま聞き取りに挑むのでは、同じ問題でも全く難易度が変わってきます。

設問が分かっていれば集中して聞かなければいけない部分とそうでない部分を自ずと区別できますが、何が聞かれるか分からない状態では耳から入った情報を丸暗記するしかありません。1問や2問ならともかく、そんな全集中を何十問も続けるのはネイティブレベルの人でもない限り不可能です。

可能であれば設問だけでなく選択肢にもざっと目を通せるとベターです。問題によっては設問や選択肢からおよその内容を推測できることも多く、圧倒的に有利な状態でリスニングに挑むことができます。特に選択肢が固有名詞の場合は事前に読んでおかないとほぼ回答できません。

そしてこれを行うためには、本文が読まれている間にその問題の解答をマーキングまで済ませるのが基本のペースです。よほど読むのが速い人でない限り、遅くとも2問目の設問の読み上げが終わる頃には次の問題の設問を読み始める必要があります。そうでないと設問が頭に入らないまま次の本文を聞く羽目になってしまいます。

このリズムをつかむためには、音声付きの問題集を使って反復練習するしかありません。これができるようになるだけでリスニングパートの得点が全然変わってきます。

「Go on to the next page」待つか待たざるか問題

ちなみにリーディング試験中に問題冊子のページの変わり目にさしかかった場合、「Go on to the next page」のアナウンスがあります。

ここでアナウンスを待つべきか否か少し迷うところですが、アナウンスを待つ必要はありません。律儀にアナウンスを待ってからページをめくっている人もいますが、これをすると設問の先読みができず、次問の解答に差し障ります。

正直は美徳ですが、度を過ぎるとその限りではありません。機敏に周囲の空気を読んで適切な行動を取ることもTOEICに求められる資質の1つです、多分。

ルール的には何だか微妙な感じもするのですが、今のところ会場で注意もされておらず、公式にこの行為を禁じるアナウンスもしていない以上、リスニングの範囲内でのページめくりは許容されていると考えられますので、解答が済んだら直ちに次の問題に移るべきです。

ただしリスニング最後の本文が終わった後設問の読み上げが全部終わるのを待たずにページをめくってリーディングに突入する人も結構います。今のところ会場では特に注意もされていませんが、これは禁止事項である「リスニング試験中にリーディングの問題に着手した」に明らかに該当する行為なので、気を付けた方がいいと思います。

実はPart 3 より Part 4 の方が難しい

リスニングの練習を始めたころのあるあるとして、「登場人物が増えるほど難易度が上がる」という思い込みがあります。

登場人物が多くてもそれぞれのしゃべり方だったり雰囲気で分かる情報が重要な情報だったりします。あ、今何か険悪になってるっぽい、とかwww

この理屈でいうと話者が2~3人登場する Part 3 は 話者が1人だけの Part 4 よりも難しいということになりますが、実際はそうではありません。大半の人は Part 3 より 4 の方が難しく感じると思います。

確かに話者が複数出てくると誰が何を言っていたか、頭で整理しながら聞く必要があります。またTOEICでは話者によってアメリカ英語だったりイギリス英語だったりする(※オーストラリア・カナダもあります( ノД`))ので、その面での負荷は大きいのですが、会話になることで言い方のニュアンスだったり相手へのリアクションだったり、聞き取りのヒントになる情報量も増えるため、多少細部のワードを逃しても会話全体の流れから回答できることが多いです。

逆に話者が1人しか登場しないモノローグ形式の Part 4 では、そういった手がかりなしに聞き取る必要があるためトーク全体の流れをつかみづらく、会話の場合よりも高い精度のリスニングが求められることが多いです。

リスニングの図表問題は難しくない

新形式になってから Part 3 と Part 4 の最後に図表問題が2~3問ずつ出題されるようになりましたが、見た目的に情報量が多く難しそうに見えるので、最初から回答をあきらめて塗り絵にしている人も結構多いようですが、これは間違いです。やり方さえ間違えなければ図表問題は難しくありません。

むしろ図表というヒントがある分、リスニングのハードルは下がります。

上でも説明しましたが、まず本文が流れ出す前に各設問を頭に入れておくことが大前提です。

その上で図表問題になっている設問の選択肢をチェックします。それを図表と照合して、選択肢になっていない側の情報の聞き取りに全集中すればオッケーです。この問題で選択肢になっている側の情報が音声で流れることは100%ありません。それでは図表を載せる意味がないからですwww

たとえばこんな表があったとします。

Flight No. Destination
123 Vancouver
456 London
789 San Francisco

これでもし設問の選択肢が Destination の方であれば、音声では必ず Flight No.が流れると分かるので、そちらに的を絞って聞くことができます。

無防備の状態で聞くより圧倒的にイージーモードになります。こんな有益な情報を活用しない手はありません。

全体にリスニングで出題される図表はぱっと見で分かるシンプルなものばかりで、込み入ったものが出題されることはほぼありません。臆せずトライしましょう。

※逆にリーディングで図表が出た場合は要注意で、特に脚注があるような場合は必ずその脚注に絡んだ設問が含まれますので、欄外の細かな文字でも全てきっちり読み込む必要があります。

言い換えワードの選択肢は要チェック

最後にリスニング・リーディングの双方に共通することとして、「本文中に出てきた言葉を言い換えたワード・フレーズ」は正答の可能性が高いです。

本文中のワードを言い換えたそっくりさんは正解のケースが多いです(※必ずではありません。。

これは「言い換えたワード・フレーズが分かる」=「両方の意味をきちんと把握している」と評価されているからだと思いますが、TOEICのスコアアップの対策としては頻出の言い換え語を押さえておくことが有効になります。

単語帳をやっていると「なんでこんな同じような意味の単語がいっぱいあるの!!」と嫌になってしまう経験はあるあるだと思いますが、多少意味がうろ覚えでも同義語だと知っているだけで選択肢を絞れてしまうというチートムーブをかますのには大いに役立ったりしますwww。やって損はありません。

ちなみに言い換えワードではなく、本文とそっくり同じワード・フレーズが選択肢に出てきた場合は引っかけの不正解である確率が高いので要注意です。

この言い換えワードの他、ビジネス英語に特化したTOEICではやや特殊なビジネス用語一般的な用法とは異なる意味で使われるワードも要チェックです。

 

 

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