時間が足りない! TOEICリーディング試験の必勝時間配分【塗り絵からの卒業】

TOEICは時間が足りなくて当たり前

ベテラン受験者の方には今さらですが、リーディングに限らずTOEICは基本的に時間が足りません。私も初めて受けたときはかなりショックだったのですが、うっかり予備知識なしで普通に学校の英語の試験を受けるような感覚で回答しているとえらいことになります。

TOEIC対策済みでそこそこスコアを取れるレベルの人でもリーディングの最後の20~30問ほどが時間切れになってしまったりするのは全然当たり前に起こる日常茶飯事なので、初めて受ける方はそういうものだと割り切ってください。。。

というか、敢えてそういう問題量で受験者に負荷をかけるように設計されている試験なのです。

英語力を測るやり方として、英検のように級に応じて問題文の難度を上げるやり方もありますが、TOEICでは基本的に1つの試験で全ての学習段階の受験者に対応するため、一定時間内にどれだけ多くの問題数をより正確に処理できたかによって受験者の英語力を計測する方法を取っているのです。

2,3度受けているうちに気が付くと思いますが、毎回試験終了の5分くらい前になると周りの受験者が未回答の空欄を埋めるいわゆる「塗り絵」をやり出すのが分かると思います(なんか教室全体で急にカサカサ音がし始めますw)。

初参加の方は抵抗があるかもしれませんが、初級・中級レベルのうちはむしろ塗り絵するのが当たり前なので、恥ずかしがる必要は全くありません。堂々と塗り絵大会に参加しましょう。

※ちなみに公式のアナウンスでも「分からない問題も全部埋めるように」と指示されています。受験者が塗り絵するのは運営も想定済みでスコアが算出されていますので、「私は塗り絵しない!」みたいなことをするとかえって正しい英語力が反映されません。素直に塗り絵しましょう。

私の個人的な経験では、リーディングで曲がりなりにも最後の塗り絵をせず、全問目を通した上で回答できるようになったのは800点台後半以上のスコアが取れるようになって以降のことです。

ただしこの時でも全問確信をもって解答できているわけではなく、厳密には「全く塗り絵をしていない」とは言えません。スコアが900点を上回るようになった今でも、完全に素の英語力だけで全問回答しきるのは厳しいと思います。

それでもどうにか最後の塗り絵をせずに済むようになったのは、事前に計算したとおりの「時間配分」を徹底するようになったからです。

正直なところ、この状態で「塗り絵から卒業できた」と言い切るのはまだまだ微妙な気もするのですが、曲がりなりにも時間内に一通りすべての設問に目を通したうえで回答できたという経験そのものが大きな自信になり、その後の学習に弾みがついたというのも事実です。

そこで今回は私がどのような方法でTOEICリーディング試験の時間配分を行っているのかについて書いてみたいと思います。

リーディングの「塗り絵」を卒業するために

では、どうやればリーディング試験の「塗り絵」から卒業することができるでしょうか?

まず誰でも考えるのは、とにかく勉強して英語力を上げるということでしょう。もちろん英語力がつくに従って解答速度は上がりますので、これは当たり前の正しい発想なのですが、こういう普通の馬鹿正直な努力だけでは、余程の英語力を身に付けない限りTOEICの全問解答に至るのは難しいと思います。

どれくらいかというと、おそらく大卒ネイティブレベルの英語力まで到達しないと無理なのではないでしょうか。(多分TOEICの試験自体がそのあたりのレベルのコミュニケーション能力を1つの目安に設計されているのではないかと思います。)

え、そんなの一生かかっても無理
いえいえ、人間その気になって頑張れば何だってでき・・・ませんよね、普通www

一日中英語の勉強だけやってればいいみたいな特殊な環境下ならともかく、社会人にしろ学生さんにしろ、限られた時間と労力でそこまでの英語力に到達するのは並大抵のことではありません。

だって単純に言えば24時間英語漬けで20年以上経験値を積み上げてきた人たちと同レベルになろうというのですから。

実際、帰国子女の方とか何年も留学してましたみたいなレベルの方は別として、一般的な学習者が素の英語力で戦う限りTOEICは時間切れがデフォと考えるべきです。

しかし現に時間内に解いている人もたくさんいるし、私ですら(どうにかこうにかですが)時間内に全問回答できるようになりました。

ということは、やり方次第では「塗り絵からの卒業」は十分可能なのです。このことをまず肝に銘じておいてください。最初から「自分には無理」と思い込んでしまうとできることもできなくなってしまいます。

で、こうした人たちがどうやっているかというと、多くの人は普通に英語力で解答の速度を上げるだけではなく、ブラック製造業顔負けの徹底した時間管理の発想をしているのです。

もう少し具体的に言うと、やみくもに問題に取りかかるのではなく、まず与えられた試験時間から逆算して個々の設問にかけることのできる時間を秒単位で割り出し、絶対にその時間内で解くように縛りをかけるのです。

逆に言えば、その時間内でできないようなことはしてはいけません。このルールを徹底的に守り、時間ロスを極限まで排除することで「脱塗り絵」が実現するのです。

何だか面倒に思えるかもしれませんが、これを徹底することによって、素の英語力だけでは到達するのが難しいぎりぎりのところまでスコアを伸ばすことができるようになります。

私の経験上、800点台後半あたりから更にスコアを伸ばすためには時間管理の徹底が決定的に重要な要素になってきます。(なので高得点層ほど腕時計が必携です)

※私の感覚では「時間管理」を考える前提として概ね最低でも700台後半以上のスコアに達していることが必要と思います。それ以下の段階ではそもそもTOEICの設計上まだ全問解答できないのが当たり前で、普通の正攻法だけでも十分伸びしろがありますので、時間管理をどうこう考えるよりもまず文法や単語などの基礎知識の穴をつぶすのが最優先です。

TOEICの時間配分の実際例

以下、リスニングパートとリーディングパートに分けて、私なりの時間配分の考え方を説明します。

リスニングパートの時間配分

まずリスニングパートでは音声ガイドのdirectionに従って進めるので、それに従って解答している限りリーディングパートのような終了間際の「塗り絵タイム」が発生することはありませんが、だからといって時間管理の概念が不要なわけではありません。

リスニングパートにおいても一般的な受験者にとって時間がないのはリーディングと同じであり、設問と設問の間やdirectionの読み上げ、ページめくりのタイミングなどを最大限に活用して、可能な限り問題文や選択肢の先読みをすることが求められます。

間違っても学校のテストのように1問終わったからといって漫然と次の問題が始まるのを待っていてはいけません。神速を超える超神速を発動しなければ宗次郎に秒殺されてしまいますww(※「るろ剣」参照)

リスニングであれリーディングであれ、TOEICの試験時間中に「待つ」などという余計な余白は一切想定されていないと心得るべきです。とにかく1分1秒に至るまですべての時間を解答に費やし切るという貪欲な姿勢に徹しましょう。

リーディングパートの時間配分

さて問題はリーディングパートの時間配分です。

単純に考えると100問を75分で解くのですから、1問あたり45秒で解いていけばよいことになります。が、もちろんこの100問の中には秒殺で解ける短文穴埋めもあれば、解くのに時間がかかる長文読解もあるわけです。(出題例:公式サイト参照)

  • 短文穴埋め (part 5) 30問
  • 長文穴埋め (part 6) 16問
  • 長文読解 54問 (part 7) うちシングルパッセージ10題(設問数29)、ダブル・トリプル5題(設問数15)

それぞれの濃淡に応じて時間配分を考えると、後半の長文読解(part 7)では設問1つあたり最低1分程度必要なので(ここには問題文を読む時間を含みます)、part 5・6 の穴埋めに使うことのできる時間は合計で20分程度に収める必要があります。

これを単純に割り算すると1問あたり26秒になりますが、同じ穴埋め問題でも長文の穴埋めは短文より時間がかかるので、短文穴埋め(part 5)に10分、長文穴埋め(part 6)に10分くらいの配分がギリギリのラインです。

すると短文穴埋めに関しては1問につき20秒で進めていくことになりますが、実際にやってみるとこれは体感的にはほぼ条件反射的に解答をマークしていく感じの速度です。考えたり悩んだり修正したりする時間はありません。

このパートに限らずTOEICでは深く考え込むのはもちろん、問題文を逐一和訳して確認しようとしたり、一度解いた問題を後から戻って訂正しようとするのも禁物です。TOEICにおいてはそもそもそんな余計な時間は与えられていません。消しゴムは基本的に机の飾りと思ってください。

「迷う問題は諦めて次に進む」が絶対の正義です。

長文問題の時間配分

そしてリーディングパートの最大の関門である長文読解(part 7)ですが、問題によって設問の数が2~5問の幅があります。このパートは大まかにいって 設問数=その問題にかける時間(分)を目安にするとよいと思います。

つまり、設問数が3つなら3分以内、5つなら5分以内に問題文と設問全部を読んでマークをやり終えるということです。受けたことがある方には分かると思うのですが、これは学校の英語のテストのように本文を精読して問題文をじっくり考えるような解き方ではとても無理なボリュームです。

ということはつまり、TOEICが求めている英語力はそういう力ではないということなのです。TOEICが求めているのは決められた時間内に与えられた情報から解答に必要な情報だけを正確に引き出せる英語力です。それ以上のことは求められていません。

もちろんななめ読みや拾い読みでよいというのではありませんが、TOEICでは最初から一文一文をきっちり読むのではなく、まず全体をざっと俯瞰的につかんでから必要な部分に絞ってフォーカスするという複合的な読みをすることが求められます。(私の場合、体感的にこの読みができるようになってきたのは「800の壁」を超えてきたあたりからでした。)

特に複数の文章を読み解く必要のあるダブル・トリプルパッセージについては一見ややこしそうに見えますが、出題内容やパターンはある程度決まっていますので、慣れてくると「この設問の答えはこの辺りにありそうだな」という部分の見当が何となくつくようになります。これができるようになってくると回答にかかる時間を飛躍的に短縮できるようになります。

どのような試験でも事前対策は重要ですが、特にTOEICではこういった事前の対策がきちんとできているか否かで大きくスコアが変わりますので、問題集などでTOEICの出題形式に慣れておくことが圧倒的に大切です。

何だかんだ言っても、まずは公式問題集からですね・・・

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