【告発】某公営翻訳コンテストの闇【出来レース??】

唐突ですが、私がアラフォーになってから英語学習を始めた大きなきっかけの一つに、「いつか翻訳を手掛けてみたい」という夢がありました。

それでこの5年ほど某自治体の主催する翻訳コンテストに応募を続けていたのですが、思うところがあって今後の投稿を断念することにしました。

今回はその顛末について書き散らそうと思います。

しかしこんなマイナージャンルの負け犬記事に需要あるんかいな・・・( ノД`)

いたばし国際絵本翻訳大賞に応募してみた

ご存知の方もあると思いますが、翻訳には大きく分けて文学・芸術作品などの翻訳を主とする「文芸翻訳」と、産業部門を中心とする「実務翻訳」があります。

多くの人がイメージするのは前者の「文芸翻訳」の方で、翻訳の志望者も大半はまず「文芸翻訳」を志すケースが多いようですが、実際問題として、翻訳需要の圧倒的多数は「実務翻訳」であるうえ、基本的に文学作品や映画字幕のような「文芸翻訳」を一般の未経験者に任せてくれることはまずありません。

なのでそもそも文芸翻訳というジャンルは非常に入り口が狭く、志望してなれるというものではありません。翻訳学校に通うというような選択肢もないではないですが、学校を卒業したからといって翻訳の仕事がもらえる保証は一切ありません。市場のパイ自体が非常に小さいため、語学能力があるからといって受注できるというものでもなく、何らかの人的なつながりやコネ的な要素も大きい特殊な業界です。

そうした状況の中、一般人がチャレンジできる数少ない機会として「翻訳コンテスト」があります。以前は翻訳学校や企業が主催するコンテストもいくつかありましたが、コロナ以降そうしたチャンスも減ってしまいました。

現在、一般からの応募を広く受け付けている文芸翻訳のコンテストとして、「いたばし国際絵本翻訳大賞」があります。これは30年近く前から続いている絵本翻訳のコンテストで、その名の通り自治体である板橋区が主催する公営コンテストです。

このコンテストは大賞に選ばれるとほぼ確実に受賞作が出版されるため、プロ・アマ問わず多くの翻訳志望者が毎年チャレンジしています。今のところ受賞作が確実に出版される翻訳コンテストは、少なくとも国内ではこの賞の他に見当たらず、翻訳志望者にとっては貴重な(というか国内唯一の)チャンスとなっています。

5年応募してみたけど

私も一念発起して以来、TOEIC学習の合間に絵本などの文芸翻訳についても勉強を進めました。学習自体はとても面白く、詳細はブログの趣旨と外れるので本記事では省きますが、TOEIC学習とは全く違う視点で語学を勉強できたことは、とてもよい経験だったと思います。

ただ結果を先に書くと、残念ながら5年以上投稿し続けても1次審査にすら引っかかりませんでした。

改善しても結果出ず

もちろんただ漫然と当てもの感覚で投稿を続けていたわけではありません。

応募すると結果いかんに関わらず、全員に結果が封書で送られます。まあこのいかにもなペラい事務封筒を見ると開封するまでもなく結果が分かってしまうのですがw、重要なのは同封されているA4で2枚ほどの「講評」で、ここには応募作の中で多かった誤訳例や優秀作の例などの他、選考においてどういう基準で審査したかという点についても細かく触れられています。まずはこれを徹底的に見直しました。

また賞のHPには過年度の分も掲載されているので、これらの細部まで目を通し、どういう部分を改善すればよいのかについて仔細に検討を重ねました。また「優秀」とされた作例にも可能な限り目を通し、自分の訳例との違いについても比較検討して、極力審査者の基準に沿った作品となるよう、自分なりに改善を尽くしました。

言うことが変わる

しかし投稿を続けるにつれ、首をかしげざるを得ない「講評」も見えてきました。

例えばある部分では「原文から離れるのはよくありません。原文にないことを勝手に付け加えるのは翻訳者の驕りです」みたいな指摘をされている一方、別の部分では「文章だけでなく絵から読み取れることなどからもイメージを膨らませた訳を心がけましょう」みたいな、まるで矛盾することも言われたりします。

あるいは「絵本として字数も原文と同じ字数・段組みになることを心がけるよう」みたいな指摘をしているくせに実際に「優秀」とされた受賞作は全然そうなっていなかったり、みたいなこともザラに見られました。

つまり「講評」で書かれていることは一見もっともらしいようでも単にその場限りの恣意的な説明に過ぎず、一貫した判断基準ではないようなのです。これではいくら「講評」を頼りに改善してみても受賞が見えてくるはずはありません。

何より「優秀」とされた作例もことさら奇をてらったオノマトペが目立つなど(自分からみて)全くピンとこないといったことがあり、根本的に賞の性質と自分の方向性が合っていないのかな、と思うようになりました。

一次通過者全員が同性?!

しかし最終的に自分が投稿をやめる判断をしたのは、今年2月に公表された昨年の募集結果を見てのことでした。

最終結果以外の一次審査結果については応募者以外には公表されていないようなので詳細の公開はできませんが、送付されてきた結果を見ると英語780件、イタリア語239件、合計1,000件超の応募があり、そのうち約100件程度が一次審査通過しているのですが、投稿名を見る限り一次通過者全員が女性だったのです。少なくとも男性名と取れる通過者は一人もいませんでした。

女性比率が多めとかなら分かりますが、性別問わない一般公募に1,000件以上の応募があって100名以上の通過者が全員同性なんてことがあり得るのでしょうか?? これまで応募してきた中でもこんなことは一度もありませんでした。

最終的に数名しかいない入賞者が全て同性というのはまだしも、一次審査の時点で男性応募者は一人も残っていないなんて、いくら何でも不自然すぎます。

もちろん手続き上は応募作が誰のものか分からないよう、作品と応募用紙は別個に処理できるようにクリップ止めで送付し、原稿にも氏名等を記入しないように指示されるなど、運営の建前としては応募者が誰かは審査者に一切知らせずに公平な視点で審査してますよ、という体裁が取られてはいますが、こうした措置はこの賞に限ったことではなく、他の文学賞の公募などでも大抵同様の仕組みを取っている、いわば公募のデフォな形式にすぎないので参考になりません。

そして結局のところ、実態として本コンテストが本当に公平な運営をしているのかは中の人にしか分かりようのないことです。

そして外の人である一応募者としては、外から分かる客観的な事実で判断するより他にありません。

中の人が主張する手続きがどうであれ、100名以上の通過者を選別してそれがたまたま全て同性になる確率は(1/2)の百乗です。ちなみにこれをエクセルで計算すると「7.88861E-31」とか表示されますが、無理やり小数表示にすると小数点以下30桁目まで0が並びますw

要するに数学的にあり得ません。はい、終了。

運営がどういう趣旨かは分かりませんが、当ブログとしてはいたばし国際絵本翻訳大賞は明らかにジェンダーに基づく応募者の選別を行ったと判断せざるを得ません。特に男性応募者の方は貴重な時間(と費用)を本コンテストに無駄に投下しないよう、注意喚起させていただきます。

まあもしかしたら単に仕分けた応募原稿の一部を審査に回し忘れたとか事務的な凡ミスの可能性もなくはないですが、それはそれでもうそんなザツい運営の賞に応募なんてしてられませんし。。。

しかし通訳案内士といい、翻訳コンテストといい、中高年学習者には地雷だらけの世知辛い世の中ですね。。。1億総活躍か何か知りませんがコネのない中高年(※上級国民を除く)が能力を生かして活躍できる場なんてこの国に残ってるのかしらん。。。

 

※本来このような記事はコンテスト名も伏字にすべきものですが、自治体が主催し公金で運営されるコンテストで行われた明白な差別事象であると判断されるため、公益目的により実名で挙げさせていただきます。板橋区には今後公営事業においてこのような不適切な運営を行うことのないよう強く要望いたします。まあわたしは今後もう二度と応募しませんが。時間もったいないしww

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